ピラトはイエスをゆるしてやりたいと思って、もう一度かれらに呼びかけた。
それで、ピラトは群衆を満足させようと思って、バラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。
これを聞いて、ピラトはイエスを許そうと努めた。しかしユダヤ人たちが叫んで言った、「もしこの人を許したなら、あなたはカイザルの味方ではありません。自分を王とするものはすべて、カイザルにそむく者です」。
また、ピラトが裁判の席についていたとき、その妻が人を彼のもとにつかわして、「あの義人には関係しないでください。わたしはきょう夢で、あの人のためにさんざん苦しみましたから」と言わせた。
このバラバは、都で起った暴動と殺人とのかどで、獄に投ぜられていた者である。
しかし彼らは、わめきたてて「十字架につけよ、彼を十字架につけよ」と言いつづけた。